徳川園の四季
花ごよみ
春の花
代表的な花々
ボタン
場所:牡丹園他
原産は中国。日本には西暦700年代(奈良時代)に渡来したといわれている。品種数も多く、花色もさまざまで、そのあでやかさは格別。中国では、元は薬用に栽培されていたが、唐代以降になると「花の王」として他のどの花よりも愛好されてきた。日本でも「百花の王」と称される。
アマドコロ
場所:大曽根の瀧
もともと山野に生育する種。若芽、根茎ともに食用とされ美容によいとされる。
アヤメのなかま(アヤメ・イチハツ・シャガ)
場所:園内各所
アヤメは多くが山野の草地に自生し、他のアヤメ属の種であるカキツバタやハナショウブとは異なり湿地に生えることは稀。イチハツはアヤメの種の中で一番先に花を咲かせることから「一初」と名がついた。シャガは中国から日本に入ってきた種であるが、種子が発生しないため日本にあるシャガはすべて同一の遺伝子をもつと考えられている。森林周辺のやや湿ったところに群生する。
エゴノキ
場所:美術館前
下向きに付く可憐な花が特徴的。果皮にはエゴサポニンが含まれていて、新鮮な果実は洗濯石鹸の代わりになる。
エビネ
場所:四睡庵南側
昭和50年代に流行し、さまざまな色変わりが見出された。名前の由来は根茎の形がエビの背のようにみえることからきている。
カキツバタ
場所:菖蒲田北側
愛知県の県花。古くから万葉集などの和歌にも詠まれており、『伊勢物語』では在原業平が詠ったとされる。名前の由来は「書き付け花」で衣類を染めるために利用されたことによる。
サクラ(ソメイヨシノ・トウカイザクラ・八重紅枝垂れ桜)
場所:徳川園外園(ソメイヨシノ)、美術館前広場(トウカイザクラ)、大曽根改札前広場、瑞龍亭西側(八重紅枝垂れ桜)
サクラは春を代表する花として日本人にはなじみが深い。観賞用のサクラの代表種であるソメイヨシノを始め、樹形が箒状に斜上しているトウカイザクラや八重咲きの濃い紅色の花弁をもつ八重紅枝垂れ桜など、園内外におよそ50本の桜の木がある。
サワフタギ
場所:虎の尾
晩春に虎の尾(渓流)を覆うように枝が伸びる。名前の由来は沢の蓋となる木から。
シャクナゲ
場所:観仙楼西側
ツツジ科に属する樹木で低木のものがほとんどである。大きく派手な花をつけるが、その葉にはグラヤノトキシンなどのけいれん毒を含む有毒植物である。
シロヤマブキ
場所:瑞龍亭西側等
山吹と同科で雰囲気もよく似るが、花弁の数が山吹(一重)が5枚なのに対し、シロヤマブキは花弁が4枚。
タニウツギ
場所:虎の尾
田植えの時期に咲くことからタウエバナの別名がある。
ドウダンツツジ
場所:四睡庵西側
ちょうちん型の花が特徴的なツツジ。名前の由来は枝の伸び方が灯台(室内用照明)のようであることから。
ハクサンボク
場所:虎の尾
ガマズミの仲間。開花時期は4月~4月末頃。葉は大きく光沢がある。花は白くて小さい。秋になると赤い実をつける。その果実は食べることもできるが、秋は酸味が強く、冬に向けて甘くなる。
ツツジ
場所:龍仙湖周辺(キリシマツツジ、ヒラドツツジ、サツキツツジ) 四睡庵西側(ミツバツツジ) 四睡庵南西側(モチツツジ)
春を代表する木。種類によって花の色も赤、白、桃色などさまざま。また開花時期も異なり、長い期間楽しめる。
ヒトツバタゴ
場所:四睡庵南側
かわいらしい花が木全体につく。日本では愛知県、岐阜県、対馬にのみ自生する珍木。別名、なんじゃもんじゃ。
フジ
場所:牡丹園横(藤棚)
マメ科の植物でつるが木に巻き付いて樹冠に合わせて広がる。直射日光のあたる場所を好み、うすい紫色の花が20㎝~80㎝の長さでしだれる。「藤色」の色名はこの花の色に由来する。
ヤマブキ
場所:瑞龍亭西側、虎仙橋
一重と八重とがあり、八重咲きのものは結実しない。英名、ジャパニーズローズ。
山野草(イカリソウ・シュンラン・ユキノシタなど)
場所:虎の尾、大曽根の瀧周辺
山野草(さんやそう)とは、国内外の平地から高山に至る野外に自生する観賞価値のある草木や低木などを総称した言葉である。徳川園でも庭園の趣に合った山野草を増やしている。薬用に栽培されることもあるイカリソウ、日本各地にみられる野生蘭の一種であるシュンラン、常緑の多年草で雪の下にあっても緑の葉があることに由来するといわれているユキノシタなどがある。